消えたヒノキの行方を考える中坊進二


中坊進二は毎週欠かさず
BSプレミアムで大河ドラマ【直虎】を視聴しています。
そして19話にて、材木泥棒の話がありましたよね。
木材は「家づくり」「燃料」「武器作り」に使われ、
当時のエネルギー産業の要のようなものでした。
それゆえ、木材の需要はかなり高く、
盗難被害もそれなりに多発していました。
ただし、一晩で切って運んで盗むといったケースは
かなり稀だったと中坊進二は思います。
あれほどの技術を持つと、
家臣として召し抱えたくなるのも、分かるというものです。



現代でも似たような事件が起きています。
実際には全く似ていませんが、
相模原市が管理しているヒノキ2万6821本が消失したと話題になっています。
本来は、樹齢98年のヒノキが2万6821本ある筈なのに、
そうした樹は数本しか見つからず、
まるで雲を掴むように消失してしまったのです。
材木泥棒かとも中坊進二は思いましたが、
それなら普通に切り株もある筈です。
ここ1、2年で伐採された切り株はどれも98年より若く、
切って持ち逃げされた線はないことが伺えます。



中坊進二は大学で林業系を学んだこともあり、
切り株を取り除くのがどれだけ大変か知っています。
少なくとも、重機がないと不可能です。
数十人の人間を動員すれば、取り除くことは可能ですが、
泥棒の痕跡を消すためにそんなことをするアホは居ません。



中坊進二が考えるに、
最初の登録の段階で不正があったのではないでしょうか。
1953年に登録したそうですがその際、
本来は樹齢14年なのにサバを読んで34年にしたのかもしれません。
60年以上も前のことなので、もう誰も当時のことを覚えている方はいませんが、
そうした理由以外考えられないと、中坊進二は思っています。
担当したエリアを間違えたや、本数自体をサバ読んだ、という線もありそうですね。
とりあえず、無いものは無いので現在、
相模原市は登録を抹消する手続きを行っています。
樹齢約100年のヒノキが約2万6000本もあれば、
かなりの利益に繋がりますが、無いものは無いので、どうしようもありません。

昔は盗むほど価値の高いヒノキでしたが、
現在は信じられないほど価格が下落しています。
かなり極端な例で紹介しますが、伐採費(間伐や枝打ち含む)や
運搬費などのコストが100万円掛かるとしたら、
それを売った際の儲けも100万円ピッタリなのです。
林業の年収は最低賃金を下回るどころか、ほぼ0円なのです。
そして今の日本は輸入材に完全に頼り切っています。
関税もほぼなく、無駄に高い国産材を使う理由がないのです。
中坊進二は大学で林業について学びましたが、
卒業後に林業に進んだ方は1~2人しか居ませんでしたよ。
残りの200名近い学生は、林業とは全く関係ない会社に勤めています。
実際、中坊進二も何故かIT系でバリバリ働いています。
そして枝打ちしませんので、枝は自由に伸び切り、
それが今の「花粉問題」へと発展しているのです。